プチッ、と何かが切れた。

「ちょっと、少しは焦りなさいよ! ナンパされてるのよ?」

あたしは男たちから離れて、篤紀のそばへ行った。

「え、番号……」

「うっさいわね! あんたたちの携帯に入るような番号は持ってないわよ!」

後を追ってくる男たちに怒鳴り散らし、あたしはきつい目で篤紀の顔を睨んだ。

びっくりした顔で男たちは去っていく。

「黙ってないで、何とか言いなさいよ! 普通、彼女がナンパされてたら……」

「俺が入らなくても、自分で断れるだろ」

篤紀はあたしの声を覆うようにして、口を開いた。