……よし、来た!

見て見て、見てちょうだい!

「ほんっと可愛いよね」

「ね、彼氏とかいるの?」

篤紀の存在に気づかない男たちは、覗き込むようにして、あたしを見てくる。

「んー」

いるって言えば、帰られちゃうかもしれない。

でも、いないって言えば、嘘になる。

そこまですれば、さすがにやばいと思うし、喧嘩になるかもしれないから、あたしは適当な返事で流していた。

篤紀はきょろきょろと、辺りを見渡している。