引っ張られてるのに、深町は無愛想な態度のまま。

……これが夢なら覚めなくていいからね。

あたしは心の中で、寝ているはずの自分に話しかけていた。

「何よ?」

ひねくれた言葉しか言えないけれど、本当はドキドキしていて。

この手をはなすのが嫌なの。

今のあたし、すごく舞い上がってる。

けれど、頭の隅にはちゃんと弥生ちゃんがいて……。