ファンデーションをメイクポーチにしまって、店へ入るあたし。

夕方だから、学校帰りに立ち寄る学生も多いのだろう。

広い店内は、思っていたより賑わっていた。

「カウンターにはいないのかな?」

きっといると思ったのに、そこに立っているのは若い女の子たちと、店長らしきおじさんだけ。

きょろきょろしながら歩くあたしは、2階へ続く階段をのぼっていく。

CDやDVDが置いてあるせいか、1階は人が多くてうるさかったけれど、本や雑誌を売っている2階は、結構、静かだった。