「お疲れ様ぁ」

ミスコンが終わって会場を後にするあたしの側に、駆け寄ってきたのは親友の直子。

「あ、ちょうどよかった。これ取って」

花束を片手に振り返るあたしは、髪に絡まったティアラを彼女に向ける。

「本当に獲っちゃうんだもんなぁ。2年連続とか恐ろしい女」

直子はそっとティアラを外しながら、呆れた口調でつぶやく。

「まだまだ。来年もなるつもりだから、応援よろしく」

崩れた髪型を元に戻しながらティアラを受け取るあたしは、にんまり余裕の笑みを見せた。