「……悪かった」

低い声で謝られる。

顔を上げると、彼は申し訳なさそうな顔であたしを見ていた。

「なんで謝るの?」

「悪いことをしたと思ったから」

具体的なことは言ってくれない。

だけど、今のあたしはそんなこと、どうでもよかった。

こうやって話せていることが何よりも嬉しいから、あたしは静かにうんとうなずく。

横を通り過ぎていく生徒たちを気にしながら、深町は首をポリポリかいた。