電車の中から微笑むあたしを、ふたりはしかめっ面で見送っていた。


「ここだよね?」

直子たちと別れてから30分後、あたしは大きなレンタルショップの前に立っていた。

弥生ちゃんから教えてもらったとおりに歩いてきたし、店の名前もちゃんと「TAMAKI」と書いてある。

「あいつ、今どんなふうになってるんだろう。まぁ、性格は変わってないみたいだけど」

独り言を言いながら、髪型とメイクが崩れていないか、鏡でチェックする。

「よし、ばっちり」

ミスコンがあったから、メイクとかはいつもより気合を入れていたし、今日のあたしは完璧だ。