「これ以上、余計なことを言ったら許さないからね」

モゴモゴと暴れる直子に、そっと告げるあたし。

「変なあだ名って?」

太一はニヤニヤした表情で、首を傾げてくる。

もう、直子のバカ。

あのことを聞いたら、太一は絶対に卒業するまでそれをネタにして、あたしをからかうに違いない。

「絶対に言わないでよ?」

口を塞ぐあたしは、その手の親指と人差し指で、直子の鼻もつまんでいく。

息ができなくなった彼女は真っ赤な顔をして、激しくうんうんと頷いた。