寒い時期に、雨に濡れて帰ってきたあたし。

次の日の朝、目が覚めた時はのどが痛くて、夜には高い熱を出していた。

「はい、どうぞ」

妹の美空が、風邪薬と水を持ってきてくれた。

パジャマ姿のあたしは「ありがとう」と言いながら、ゆっくりとベッドから起き上がる。

「こじらせてるんじゃないの? 病院へ行けば?」

腕を組む彼女は、市販の薬を口に含むあたしに呆れている様子。

「……うん」と適当に返事をするあたしは、空になったコップを美空に渡し、また横になった。