再び、2階へ行けば、必然的に顔を合わすことになる。

あんな台詞を言い放ったばかりなのに、忘れものを取りに行ったら格好悪い。

「何もかも最悪」

濡れる覚悟をし、雨の中へ飛び込んだ。

一瞬で体はびしょ濡れになる。

「やっと渇き始めてたのに……」

下を向くあたしは、顔にピタッとくっついた前髪を手で払い、耳に引っかける。