向き合って一緒にご飯を食べていた、あたしたち。

水族館でも、憎まれ口を言い合いながら歩いていた。

深町と過ごした時間が、頭の中を渦巻く。

……意地悪な思考回路。

あたしのことを好きになったんだ、と思い込んでた。

そんな自分が馬鹿馬鹿しくて、恥ずかしくて、ものすごく惨め。

階段を降りて、店を出る。

「あ……」

傘、あそこに置いたままだ。

大ぶりの雨を前にして、ハァッとため息をつく。