「やっぱりそうなんだ」と思った瞬間、顔がカーッと熱くなり、頭に血が上っていくのがわかった。

「あんたが禁断の恋? ……ふん、笑わせるわ。まぁ、血は繋がっていないし、問題はないんだろうけど」

鼻で笑いながら、嫌みったらしい口調で言ってやった。

ここまで言われて、さすがに焦ったのだろう。

ダンボールに手を伸ばしていた彼は、顔を上げて、こっちに振り向いた。

あたしはひるむことなく、喋り続ける。

「ひとつ屋根の下で暮らしてると、ムラムラすることも多いんじゃない? パジャマ姿に興奮し……」

すべて言い切る前に、彼はあたしの肩を本棚へ押しつけた。

ダンッという大きな音が、フロア中に響く。