半乾きの髪の毛と、簡単にしたメイク。

服だって、もう適当だった。

いつもはきちんとした格好で出かけていたけれど、もうお風呂にも入ってるし、オシャレなんかする気にもなれない。

あたしは近所のコンビニへ行くような服装で、電車に乗る。

外はもう暗くなっていて、パラパラ雨も降り始めていた。

向かった場所は、もちろん深町の家。


「美和先輩……」

インターホンの音を聞いて玄関のドアを開けたのは、弥生ちゃんだった。

「深町、いる?」

淡いピンク色の傘を持つあたしは、愛想よく笑いかけることもできず、真剣な表情のまま問う。