「でも、男としては見れない。太一のことは友達だと思ってる」

大切だと思ってるからこそ、他の男子を相手にしたときのような、生ぬるい台詞は言いたくない。

きつい断り方かもしれないけれど、はっきりした言葉で返事をしたいの。

「その気持ちは、この先もずっと変わらない」

本当は、先のことなんてわからないけれど……。

でもね、好きになりたくないって気持ちがあるから、こうやって言い切ってるの。

だって、太一は直子の好きな人だもん。

あたしたちを静かに見守っていた直子は、傷ついている彼の表情を見たくないというかのように、目を閉じた。

……直子、ごめんね。

あたしは、あんたが望んでいるようにはできない。