「何、読んでるの?」

次の日の休憩時間、静かに雑誌を眺めているあたしに、声をかけてくる直子。

「あ、これは……あたしが買ったわけじゃないの。その辺に落ちてた雑誌なの!!」

「恋人たちのクリスマス?」

自分で買ったと思われるのが恥ずかしくて、慌てて嘘をついたんだけど、そんなことはどうでもいいって態度で、直子は特集のタイトルを読んでいる。

「あたしが買ったんじゃないからね!!」

「もうそんな時期かぁ」

何度も否定しているのに、彼女は素知らぬ顔で、雑誌を自分のほうに引き寄せた。