数週間前のあの日、あたしたちは別々に家へ帰った。

置いてきぼりにした直子にはムカついたし、何を考えているのかわからなくてイライラもした。

「これ以上、つっかかってくるなら喧嘩してもいい」と思うくらい、腹を立てていたから。

だけど、次に顔を合わせたとき、直子は普通に「今日の放課後、カラオケに行かない?」と誘ってきた。

何もなかったかのように接され、ぶっちゃけ拍子抜けした。

構えていたぶん、気持ちがついていかなくて、そのときはぎこちなく返事をしていたと思う。

カラオケへ行っても、あたしたちは好きな曲を歌うだけ。

特に話し合いをすることもなく、そのまま今に至る。