「……お前さぁ、いつもこんなことしてんの?」

ぐったりしている彼は、テーブルの上に置いている腕に頭を乗せて、聞いてくる。

「食べたいと思ったものは、絶対に何が何でも食べる。そのほうが美味しいでしょ?」

サラッと返事をするあたしを見て、深町はポカンと口を開けていた。

「食い意地がはってる女」

深町はフッと顔の力を抜いて、クスクス笑う。

「意思が強いって言ってよね。何事にも妥協はしたくないの!」

プイッと顔を背けながら、目の前に置かれたおしぼりで手を拭くあたし。

こんなに歩き回ったんだから、海老フライを食べた瞬間はきっと感動ものよね。

周りを見渡せば、他の客たちはおいしそうに食べてるし、まずいってことはないでしょ。

そう思いながらおしぼりをテーブルに置いたとき、深町にジッと見られていたことに気がついた。