後をついてくる深町は、面倒くさそうな態度だった。

海老フライってどこでもあるように思っていたけど、いざ探すとなったら、なかなかないものなんだな……。

ハンバーグはよく見かけるけれど、海老フライを置いてる店はすぐに見つけられなくて。

「ここの店はある!」って思ったら、横から深町が「この店、まずいよ」とつぶやくの。


歩き回って約1時間、やっとあたしたちは海老フライを置いている美味しそうな店に、たどり着くことができた。

「少々、お待ちください」

疲れているあたしたちは、もしかしたら落ち着いた店の中で浮いているのかもしれない。

穏やかな口調で注文を取っていたウェイトレスがテーブルを離れたとき、水を一気飲みしていた深町が、ハァッとため息をついて両手を伸ばす。