「……じゃあ、海老フライ」

深町はブスッとした表情で、ポツリとつぶやく。

思わず「あんたはガキか」と突っ込みたくなったけれど、皿にのったそれを想像したら自分も食べたくなったから、言わないでいようと思った。

「じゃあ、海老フライがある店へ連れて行きなさいよ!」

上からものを言うあたしに呆れたのか、深町は「へいへい」とうなずいて、掴まれている腕を振りほどき、テクテク歩いていく。

後をついていくあたしは、自分の行動に気持ち悪さを感じていた。

手にしたバスケットを見つめながら……。