そう思ったら、ムカついてきた。

「このままじゃ帰れないのよ! 恩着せがましい態度とかとられたくないの!」

別にそこまで考えていなかったけれど、このまま帰ったら「こいつ、俺と飯を食いたがってた」と思われるかもしれないし、それだけは避けたかった。

腕を引っ張って、ズカズカと駅方面へ歩いていく。

来る途中、駅前を見て「食べ物屋さんがたくさんあるなぁ」って考えていたから、そこへ行けばいいと思った。

「何を食べたいの?」

「いいって、マジで。母親が飯作ってるはずだし」

「早く言いなさいよ!」

強引なあたしに困り果てていた深町は、観念してため息をつく。