いちいち止めながら話すなっつーの。

もー、このままじゃ学園祭が終わっちゃうよ。

まだ何も食べてないのにぃ……。

校舎に掛かっている大きな時計を見上げながら、イライラするあたし。

すると、太一はあたしの頭をコツンと叩き、「よそ見するな」と小声で注意してきた。

……何なの、この空気。

完全に美緒ちゃんたちのペースじゃん。

ハァッとため息をつくあたしは、姿勢を正して、もう一度、聞く体勢になった。

「直接会って返事をされるんだな、と思ったあたしは……緊張しながら、日曜日に言われた喫茶店へ行きました。……でも、喫茶店にいたのは」