「絶対、ありえない!」

思わず、口に出してしまった。

ブンブン首を横に振る、あたし。

「もう大丈夫。ありがとうね」

背中をなでられていることが嫌になり、露骨に体を離した。

「あ、あぁ……」

なぜかぼんやりしていた彼は、我にかえったかのように、数回、まばたきをする。

その微妙な態度が気になったあたしは、立ち上がる姿をジーッと見上げていた。

「どうかした?」

「……何でもない」

様子がおかしいから心配してあげてるのに、深町はそっけなく返すだけ。