「じゃあ、俺はもう帰るから」

立ち上がり、そばを離れていく深町。

さっき薄暗くなった周囲を見渡していたあたしは、時計を見なくても今が遅い時間なんだなってことに気がついていた。

きょろきょろしても、あの少年たちはもういない。

多分、深町はあたしが起きるまで、仕方なくそばにいてくれたのだろう。

「あたしもそろそろ帰らなきゃ」と思い、重い腰を上げていく。

「うっ……」

倒れたとき、地面で背骨を打ったのだろうか。

前かがみになったとき、急に電気が通ったような痛さが体の中を走った。