青く青く澄み渡った、広い空。

綿あめのような薄い雲が、まるで水の中に溶けていく白い絵の具のようで。

これは、雲が産んだの?

丸くて、白と黒の柄が入った小さな卵。

あれ……大きくなってくる。

「近づいてくるな……」って思いながら、ぼんやり眺めてた。

遠くのほうで「避けろ!!」って声も、薄っすらだけど聞こえてくる。

どんどん視界を覆っていく卵。

その影があたし全体を覆ったとき、骨に響くほどの急激な痛みを感じて、あたしは小さく「あ……」とつぶやいた気がする。