あたしの態度に腹を立てたのだろう。

太一は険しい表情で、あたしを睨んでくる。

負けずと睨み返してやった。

「先に帰るわ」

喧嘩しそうになっているあたしたちを止めるかのように、直子がポツリとつぶやいた。

睨みあっていたあたしたちは、フッと視線を彼女に向ける。

直子は何が気に食わないのだろう。

あたしがしていることは、放って帰られるほどのことなのかな。

……わからない。

直子がまったくわからない。