「なぁ、お前らさ、明日の日曜は空いてる? 空いてるなら、地区大会の応援に来てくれよ!」

放課後、直子と並んで靴を履き替えていると、部活に向かおうとしている太一に呼びとめられた。

「地区大会?」と聞く直子に、詳しく説明をする太一。

靴箱の中に上靴を入れるあたしは「空いてない」と答えて、扉をパタンと閉める。

「……何か用事でもあんの?」

てっきり来てくれると思っていたのだろう。

太一はがっかりした表情で、口をとがらせている。

「明日も深町」

そう返したとき、太一の目は急に鋭くなる。