「こんなところにいたんですね! 探しましたよぉ!」

にっこり笑いかけてくる美緒ちゃん。

彼女たちは隣にいる直子にも挨拶をして、その場に腰を下ろした。

「あたし、新しく好きな人ができたんです!」

冷たい風に吹いているからなのか、それともチークを塗り過ぎたのだろうか。

頬を赤く染める美緒ちゃんは、肩をすくめて照れた顔をする。

話が急すぎて、頭がついていかなかった。

「……お、おめでとう」

ポカンと口を開けていたあたしはハッと我に返り、嬉しそうな彼女を前につぶやいた。