「ありがとう」と柔らかく微笑みながら、花を受け取ろうとするあたし。

だけど、彼女は手を放さず、ズンッと顔を近づけてきた。

「お願いがあるんです」

真剣な眼差しで、彼女はあたしの顔をジッと見つめてくる。

「え?」と聞き返すあたしは、何を言われるのかと嫌な予感を抱いた。


あたしは直子と太一を連れたまま、美緒ちゃんの後をついていく。

人気のない裏庭へ向かうと、あたしたちが来るのを待っていたのか、そこにはひとりの女の子がいて、その子はあたしたち3人にペコリと頭を下げてくる。