勉強やスポーツも苦手なものがあれば徹夜までして克服し、持ってる美容グッズはすべて、自分で貯めたお金で買ってきたのよ。

ちゃんと努力をしてるんだから、何もしてない他の子みたいに片思いなんてする必要はないと思う。

あたしは選ばれるんじゃなく、選ぶ側の人間なの。

告白してくる男がいっぱいいるんだから、そこから自分に合う人と付き合えばいいじゃない。

今回の生徒会長は、その中から選んだけど自分には合わなかった、ってだけでしょ。

「そんな簡単なものじゃねぇよ、恋愛は。……嫌いになりたくてもなれない、諦めたいのに気持ちが大きくなっていって辛いとか、そういうのあるじゃん?」

いつもふざけてばかりの太一が、珍しくまじめな顔をして、少女マンガみたいなことを言うから、思わず笑ってしまった。