「おい、すず。ちゃいむとやらが鳴っておるがいいのか」
「―――――あ!」
自分の思考にぼっと顔を赤らめてボーッとしていた私を現実に呼び戻したのは信長さまの声。
私はハッとして慌てて教室に向かった。
まだそうと決まったわけじゃないのに。
それに、もしそうだったとして、私はただお礼が言いたいだけで・・・。
そりゃあ、初恋かも、とか思ったりもしたけど。
いざこうして、そうかもしれない人が現れて、それがこんな近い人だったなんて――――。
戸惑って当然だよね。
どうにか、確かめられたらいいのに・・・。
もしそうだったとしたら、時枝くんは、私の事もう忘れちゃったのかな。
あんな一瞬の出来事だったんだもんね・・・。
忘れてるよね・・・。