「こやつは、すず、お前の素性を明かさん限り話すつもりはなさそうだぞ」

「・・・私の素性?」



ずっと黙って様子を見ていた信長さまがそう言う。
私の素性って・・・。



「私の名前は、清宮すず。なんだかよくわかんないけど、ユーレイが見えるようになって、妖の姿も見えるようになったの。私もただ巻き込まれただけで、正直迷惑してるんだけど」

「・・・あんたたちが、なにしようが勝手だけど。俺の邪魔はするな」

「え?」

「俺の邪魔をしたら、許さない」




さっきまでの気のない雰囲気がなくなり、気迫がかった雰囲気に空気がピリッと張りつめた。




「あんたと慣れ合うつもりも、バカ正直に素性を明かすつもりもないから」




瀬名くんはそう言うと私の隣をすり抜けていってしまった。
呼び止めることができなかった。

なんなの、あの気迫。




「なかなか、食えん男だな」



信長さまの、バカぁ!