「あの、瀬名くん!ちょっといい?」



休み時間、一目散に瀬名くんのところに行く。
こうなったら直接聞いてやる。

わからないままは気持ち悪い。



「・・・面倒だからいや」

「は、はあ!?いいから、ちょっと来て!」




なんなの、このやる気のなさ。
私は半ば強引に瀬名くんの腕を引っ張ると教室から連れ出した。

クラスメイトのみんなは、転校生の瀬名くんに話しかけたそうだったけど無視して連れ出してしまった。




「ここまで来たら、大丈夫ね」



人気のない階段裏に連れ込み、向かい合う。
睨むようにまっすぐと瀬名くんを見た。

ぼさっとした黒髪、面倒そうなとろんとした瞳。
服装も、だらしない感じ。



「どういうこと!?あなた、昨日私と会ったよね!?」

「・・・そうだっけ」

「とぼけないで!」