「大きなため息だね」
「えっ」
突然聞こえた声にハッとする。
顔を向けると、クラスメイトの時枝和也くん。
あまり話したことはない。
変な所見られちゃったな。
「あはは、ごめんね」
「なにか、心配事?」
「え?あ、うーん。そう言うわけじゃないんだけど、ちょっと寝不足でね」
「そうなんだ。寝不足はしんどいよね」
時枝くんは、すごく優しくて、爽やかな男の子。
女の子からの人気もあるんだ。
「そう言えば、今日転校生がくるらしいよ」
「転校生?」
「高校になって転校生って珍しいよね。それもうちのクラスだって」
「へぇ。そうなんだ」
転校生か、どんな子だろう。
女の子だったら、友達になれるかな?