昨日のあれは、いったいなんだったんだ。
突然現れた少年。
――・・・なに、あんた俺が見えんの
そう言ったきり、私の声も無視してさっさと消えてしまった少年。
そう消えた。
私の目の前から、まるでスイッチを切るようにフッといなくなったの。
ユーレイなんだ。
信長さま以外のユーレイを初めて見た。
でも、あの人の格好は普通だった。
信長さまみたいに何百年もってわけじゃなさそう・・・。
「信長さま、なんだと思います」
「・・・」
隣を歩く信長さまにこそっと尋ねるけど、信長さまは黙ったまま。
あの後からずっとこう。
私がなに話しかけても、なにやら考え込んでいるみたい。
信長さまが変なのは最初からわかってたことだけど。
ほんと、私が無視するとすぐに怒るくせに。
「はぁ・・・」