殺される―――――!




そう思った瞬間、突然妖が真っ二つに裂け断末魔と共に消え去った。
・・・え?

いったい、何が。



信長さま?
そう思ったけれど、信長さまはもっと視界の先にいて。




「え、だ、誰・・・」





妖が消えた先にいたのは、一人の男の子。
私と同じくらいの歳の、Tシャツにジーパンのラフな格好をした、男の子だ。
量の多い真っ黒い髪長めの前髪を斜めに分けたその分け目から不機嫌そうに細められた瞳が私を捕えた。






「・・・なに、あんた俺が見えんの」