あの日から、毎日のように妖退治と称して夜の街を散策している。
妖に遭う日もあれば、何事もなくすむこともある。
そしてわかったことは、妖は人間に憑りついて悪事を働くだけではなく、妖自身が人間をめがけて物を落としたり狙ってきたりすることがあるという事。
そんなことを知ってしまうと、普通の日常もなんだか怖ろしくなってしまう。
そして、今日もまた信長さまを連れて夜の街。
お母さんの目を盗んでこっそり出てきてるから、私的にはいい迷惑なのだけど。
ばれたら怒られるよ・・・。
だって、傍から見たらひとりでうろついてる女子高生だよ。
「信長さま、まだ進むんですか?」
「あと少し。安心しろ、何者が来ても俺が守ってやる」
「・・・妖相手オンリーじゃないですか」
「おんりー?なんだそれは」
「妖相手にしか、きかないじゃないですか」
見えないし。
ちょっと、きゅんとしちゃったけど。
守ってやるなんて、普段言われることないし。