お化けも妖も、いるには都合が悪いもの。
怖ろしいし、不気味だし。
いてほしくないと思うものだ。
でも、人は辛い時悲しい時、助けが欲しい時何かにすがりたい生き物だ。
そんな時、神様っていう存在はとても便利だ。
とても、心強く、きっと自分を救ってくれるもの。
だから、信じる。
信じたいと、願う。
なるほど。
でも、じゃあ、信長さまは?
そういうモノを信じてなくて、どうやって生きてきたんだろう。
いや、信じていない人なんて、きっと他にもいるんだろうけど。
信じてなくても、生きては行けるはずで。
でも、そういうモノにでも縋りたいと思うような時代の気がする。
わからないけど。
「うつけって言われてたんだよ」
そういえば、田村くんがそんな話をしていたっけ。
うつけ、――愚か者、奇矯なふるまいをする者の事。
常識外れた、奇抜な行動が数々言い伝えられているんだって。