信長さまはわからない。
時々ものすごく怖い顔をしていたり、なにかを考え込んでいることがあったり。
500年近く前に生きていた人の考えなんて、そもそもわからないものなのかもしれないけれど。
少し、気になる。
「京都いったなら、神社とか行きたかったなぁ」
残念そうに目の前のやよいがため息を吐いた。
「あー、あれ?清水寺に神社なかったっけ?」
「あ、あの時は、・・・田村くんとだったから、言い辛くて」
「あ、そっか・・・。でも、神社行くより、田村くんと一緒でよかったんでしょ?」
ニヤニヤとからかうように言うとやよいは案の定顔を真っ赤に染める。
いやぁ、可愛いよ、可愛すぎるよ、やよいさん。
「今度行く?田村くんとの縁結んでもらわなきゃね」
「も、もう!すずったら、からかわないでよ!」
「からかってないよ。応援してるって」
その気持ちは本当だし。
からかいたいのも本当。
だって、嬉しいんだもん。