「妖は、いわばついでのようなもの。俺の大義を邪魔するものは何物でも容赦はせん」
「大義・・・」
「天下布武」
「え?てんか・・・?」
「天下布武。それが俺の大義だ」
どういう意味だろう。
とにかく、そういう目標があって、それに邪魔だったから妖を退治してたってことか。
「・・・それに、この刀は父から託されたのだ」
「お父さん?」
「ああ・・・」
形見みたいなものってこと?
大事なものなんだ。
本物の刀、見つかればいいけど、見つかったところでどうしようもないよね。
信長さまはユーレイだし。
私が持っているわけにはいかないわけだし。
本能寺・・・。
あの場所に持っていけば、信長さまも浮かばれるのかな?
「とにかく、この世にも妖がいるということが分かったのだ。あいつもまだ、おるかもしれんという事だ」
「え?あいつ?」
「・・・」
答えてくれなかったけれど、信長さまはどこか険しい表情をしていた。