「え、わ、私?」

「ああ。水族館に行った時とか、買い物に付き合ってもらった時とか、すごく楽しくて・・・。好きなんだって気づいた。だから、よかったら・・・」

「ご、ごめんなさい。私・・・」



まさか、そんな事想定してなかった。
私の事を好きになってくれるなんて思ってもいなかった。

ただ、私が憧れていただけで。




「好きな人、いるのか?」

「・・・っ、うん。ごめん・・・」

「そっか・・・。誰か、聞いてもいい?」

「・・・、瀬名くんが、好きなの」





想いを断るのって、こんなにも胸が痛いんだ。
こんなにも。



「そっか。・・・仲、いいもんな」

「時枝くんの事、本当にいい人だって思ってる。友だちになれてよかったって、本当に・・・」

「うん」

「でも、・・・恋愛感情じゃ、ないんだ。ごめんね」

「・・・うん。真剣に応えてくれてありがとう」




優しく微笑む時枝くんに、胸が痛んだ。