「じゃあ、俺帰る」
「う、うん。気を付けてね」
どんなふうにやり取りをしたらいいのか途端にわからなくなった。
だって、急に好きだとか言われて、なんか私もその気になっちゃって・・・。
「あ、あの!瀬名くん!」
「・・・夾、でいい」
「え・・・」
思わず呼び止めた私に、瀬名くんはそう言った。
甘い・・・。
瀬名くんから漂う甘いオーラに酔ってしまいそう。
「彼女になって、側にいてくれるんでしょ?」
「――――っ、うん!」
瀬名くんが、・・・夾くんがそれを望んでくれるなら。
私は、ずっと側にいたい。
言われて気づくなんて、情けないけど。
それでも。
きっと気づいたこの気持ちに嘘はないから。
夾くんが好き。
だから、側にいたい。