呼び鈴を鳴らして、数分・・・。
出てくる様子がない。
ど、どうしよう・・・。
出てきてくれないことには、側にいることも話を聞くこともできないじゃん。
そもそも・・・、私なんて用無し?
張り切って、気合入れてやってきたけど・・・。
でも、もし、中で倒れてたら・・・。
きっとすごくショックは大きかったと思うし。
不安になって、そっとドアノブに手をかける。
「え、開いてる・・・」
鍵はまさかの開いていて。
逆に困った状態。
でも、中に入るはずだよね・・・。
もしお父さんがいたら、さっきのチャイムで出てくるはずだし。
多分中には瀬名くんだけ。
・・・よし。
「お邪魔します・・・。瀬名くぅん・・・」
おずおずと中に入っていく。
瀬名くんの部屋の前までたどり着くと、ノックを二回する。
・・・返事はない。
「あけるね」