「いつまでそこでうじうじしているつもりだ」
信長さまに痛恨の一撃を受ける。
やよいに話を聞いてもらって決心がついてやってきたのは瀬名くんのアパートの前。
ここまでたどり着いてかれこれ10分。
呼び鈴を押せないまま時間だけが過ぎていた。
「俺はここらを歩いて待っているから、すずだけで行け」
「え・・・どうして・・・」
「アヤツも、今は会いたくないであろう。まぁ、そもそも見えはせんだろうが、いないほうがすずもいいのではないか?」
「私?私は・・・」
「逢引の邪魔をするつもりはない」
「・・・は、はぁ!?逢引って、なに言ってるんですか!違いますよ!」
信長さまの発想って、なんでそう極端なの!?
でも、確かに、信長さまは瀬名くんと言いあいみたいなことになったし、瀬名くんが落ち着いてから改めて話をした方がいいのかも。
「じゃあ、いってきます」
気合を入れて呼び鈴に手を伸ばす。