ガクッと体の力が抜ける。
地面に座り込み、男の姿を睨みつけた。




「この力は、厄介だね」





男はそう言い残すと背を向けて一気に消え去った。





「待て!逃げるな!!待て!!!!」






瀬名くんが叫ぶ。
苦しくて、悲しくて、見ていられない。
でも、行ってしまわないように必死に服にしがみ付いた。




「くそ・・・っ、くそ!!!!あああああああああ!!!!」





崩れ落ち、地面に拳を叩きつける。
その姿が痛ましくて、涙が溢れた。





「瀬名くん・・・」