その瞬間、周りにいた妖が一斉に瀬名くんの前に立ちふさがる。
瀬名くんはその妖を斬りつけながら進む。


斬られた妖から妖気が溢れだす。
その妖気は同じ方向へ向かい集まっていっている。




「・・・!ダメ!瀬名くん!」




これさえも、あいつの思うつぼなんだわ!
あいつのもとにたどり着くまでにたくさんの妖を犠牲にして、妖気を集めるつもりなんだ。


同じ妖を、手駒くらいにしか思っていない。

つくづく最低な奴!



「信長さま!」

「わかっている」






信長さまは、妖気が集められている方向へ走る。
私は、瀬名くんを止めなくちゃ!




「瀬名くん!やめて!」




瀬名くんは、怒りに我を忘れてる。
怒りのまま妖を斬りつけて、ただあの男を討つためだけに。




「殺してやる!どけろ!あああああああ!!!!」





痛いよ。
苦しいよ。



こんなの、辛すぎるよ。