「知っているか?妖を倒した時に出る妖気は、それをかぶった人間どもに霊感を与えることができる」
「妖が見えるようになるってこと!?」
「そうだ。我らの姿を見えもせずに、のうのうと生きている人間どもに、ありのままの光景を見せるのだ」
高笑いをする。
ありのままを見せる?
そんなことしたら・・・。
「そんなことしたら、ひどいパニックになるわ!」
「そうだ。なればいい。恐れおののけ。この僕の前に跪け!人間を、支配してやる!」
支配・・・。
それが、目的?
「そんな事のために・・・。そんな事のために、俺の母親を殺したのか!」
怒りに震える声。
瀬名くんの、耐えられない悲しみと苦痛がひしひしと伝わってくる。
だって、ひどい。
許すことなんて、絶対にできないよ。
「うああああああ!!!!」
瀬名くんが刀を抜き、男に襲い掛かっていく。
男はにやりと口角をあげると右手をかざした。