「でも、じゃあ、どうして!?味方なんじゃ・・・」

「水澤の後ろにいるなら、あいつがしていることを許しているとでしょ」

「そうだな。同じ妖と言え、手駒程度にしか思っておらんのだろう」

「そんな・・・」




ひどい・・・。
私たちだって、妖を退治してきた。
だけど、それは人間に害をなすから。

仮にも、同じ妖なのに。


でも、そういう考えって、人間だけのものなんだろうか。





「おい!」




瀬名くんがその妖に呼びかける。
妖たちにしていた攻撃の手を止めこちらを返り見たその男は。





「ああ、待っていたよ。夾くん」






まるで人間みたいなその姿。
その男は、にっこりと笑ってそう言った。