私は緊張に息をのみ、意を決して口を開いた。
「はい。許します。私が突然間に飛び出したんです。瀬名くんは悪くありません。むしろ、瀬名くんが水原先生を殴らなくてよかったと思ってます」
はっきりと正直にそう答えた。
「事情を尋ねても、黙ったままで話そうとしないんだが、君は訳を知っているかい?」
「・・・いえ。ですが、事情もなく瀬名くんはあんなことしません。誰にも言えない事情があるんだと思います」
私の答えに、校長先生は納得したように頷いた。
私は小さく息を吐く。
「わかった。ありがとう。君の発言は考慮するから、君は外に出ていなさい。頬のケガ、ちゃんと冷やしておくように」
「・・・はい」
私は一礼すると校長室を出た。
初めて校長先生と面と向かって話したけど、すごく緊張した・・・。
でも、ちゃんと公正な目を持ってる。
きっと、わかってくれたよね。
私は校長先生に言われたように、頬を冷やすため保健室に戻った。