私は勢いよく校長室の扉を開いた。
「失礼します!」
シン、と糸を張ったような緊張感の中で、中にいた人たちが振り返る。
「清宮、気が付いたのか。・・・今は大事な話中だ、出ていなさい」
はせちゃんが険しい表情でぴしゃりとそう言った。
引き返せない。
こちらを見ない瀬名くんの背中。
憤りは消えてない。
握りしめられた拳が、まだ痛そう。
「お願いがあってきました。今回の処分、私がケガをしたのは私の不注意によるものなので、その分の処分はなくしてください!」
「清宮、」
咎めるようなはせちゃんの声にもめげず、校長先生を真っ直ぐと見つめた。
「君は、清宮さんだったね。頬、かなり腫れているようだが、痛みもあるはずだね」
「・・・それは、」
「それでも、君は彼を許すというのかね?責を問わないと?」
校長先生はまっすぐと問いかける。
校長先生の威圧感がずしりと胸に響く。