「よかったね、清宮さん」
「え?よかったって・・・」
「持ち主見つかって。探してたんでしょ?助けてくれた人。よかったね、見つかったじゃん。こんな近くにいたなんてびっくりだね」
「え・・・、えっ!?」
え、そ、そういう事なの!?
そ、そうだよ。
ハンカチの持ち主ってことは、私がずっと探し求めていたハンカチの彼が、時枝くんじゃなくて、この・・・瀬名くんってことになるの!?
ウソ!
ちょっと待って。
「全然違うよ!」
思わず叫んでた。
時枝くんはびっくりと目を丸くさせて、瀬名くんは怪訝な顔で私を見る。
だって、違う。
あの時の彼は、優しくて、親切で、笑顔の素敵な人だった。
そうよ。
本当に、時枝くんみたいな。
決して瀬名くんみたいな人じゃなかった。
それなのに、彼は瀬名くんだった?
まったく、想像できない。
あの時の彼の思い出と、リンクしない。